ソフトバンク株式会社は、ソフトバンクグループ共通の経営理念である「情報革命で人々を幸せに」という考え方の下、創業以来一貫して、情報革命を通じた人類と社会への貢献を推進してきました。今後人類が迎える「情報革命」の無限のパワーを人々の幸福のために正しく発展させていくこと。この理念を原動力として成長を続けていきます。

ソフトバンクは、特に基地局関係においては多種多様な機材の流通管理を日々大量に実施しています。2018 年にはソフトバンク株式会社が上場したことで、社会的にもより一層資産管理の徹底が求められるようになりました。
ソフトバンクの物流倉庫では定期的な棚卸により在庫管理を徹底しています。棚卸は目視確認が原則で 1 つ1つ段ボール箱を開けながら確認を行っていますが、在庫が多く保管スペースも広い為、棚卸には相当な人員と時間を割いて行う必要がありました。
現場作業員も近年徐々に集めにくくなっており、棚卸以外の入出荷作業といった業務の増大もあってオーバーワーク気味であり、作業員に余裕がないことで確認ミスや事故などのリスクを懸念していました。

上記の課題を念頭に、ソフトバンクは従来の QR ラベルによる物流管理から RFID タグによる一括管理への業務シフトを進めていました。RFID タグは機器本体に直接貼付することで個体管理も兼ねています。この RFID と、昨今脚光を浴びている AGV（Automatic Guided Vehicle）無人搬送車を組み合わせて活用することで、人手に頼っていた棚卸業務を大幅に効率化し、精度も高められるのではないかという思惑から検討を開始しました。

物流倉庫では単なる直進だけではなく、収納棚に沿って狭い通路を 90 度カーブする細かい動きが必要になりますが、一般的なライントレース走行の AGV では安定した走行がなかなかできませんでした。その点 CarriRo の “ランドマーク”を一定の間隔で配置して走行する機能は、非常に柔軟で安定していました。

ユーザビリティにも優れており、手元のタブレットから簡単に設定変更ができるだけでなく、ランドマークの QR から走行以外の指示も可能です。ソフトバンクは CarriRo に搭載している関連機器に特殊な指示を出し RFID による自動棚卸を可能にしています。これら機能と他社のコストパフォーマンスを比較検討した結果、CarriRo 導入判断に至りました。

ソフトバンクではCarriRo 導入に伴い、棚卸の業務効率化と統制強化の 2 つの効果を期待しております。
業務効率化の観点では、従来の棚卸の作業時間の 8 割削減を見込んでいます。従来の棚卸は在庫を目視で確認しておりました。
段ボール箱を開けてから中身を確認する作業時間、広い倉庫内の棚卸を数日で完了させるための人員など、多大な工数をかけておりました。
さらに、高所に格納している在庫の場合は、フォークリフトを利用して在庫を棚から降ろした後、箱の中身を確認するという追加作業も発生していました。

CarriRo 導入により、棚卸の作業時間・人員は大幅に削減できます。
RFID タグと併用することで、段ボール箱の開梱作業やフォークリフトによる追加作業も必要なくなりました。1 日の倉庫業務を終え、退勤前に CarriRo をスタートさせる。夜間、倉庫内をキャリロが走行し、棚卸を実施。翌朝出勤した際に棚卸結果を確認する。
このような流れで棚卸を実施することで、従来の作業時間を大幅に削減できると考えております。


また、統制強化の観点では、事前に走行ルートを設定する CarriRo の特性を活かすことで、棚卸漏れを防ぐことができると考えております。

現在、CarriRo およびRFID タグを利用した棚卸は、東日本の拠点倉庫で運用しております。今後は、導入対象の倉庫を拡大することで、更なる業務効率化を検討しています。

また、唯一の課題であるフォークリフトの走行でランドマークを破損させてしまうメンテナンス面 の懸念は、ZMP 様の協力のもと、従来よりも強力な保護シートを導入することで解決できる見込みです。

将来的にはソフトバンクの RFID ソリューションと併せて、社外の方にも CarriRo×RFID による棚卸を利用いただくことで、昨今の物流業界が抱える問題に少しでも貢献できるよう努めてまいります。