6. センサーフュージョン
センサフュージョンとは、上記でご紹介したカメラ、レーダ、ライダー(LIDAR)など複数のセンサからの情報を組み合わせて、周辺環境をより明確に把握できるようにする技術です。
これは、より信頼性の高い安全機能とより効果的な自律運転システムの実現に必要とされる技術です。
センサフュージョンはあらゆるタイプのセンサと関わる可能性があります。典型的な例が、フロントカメラとフロントレーダから提供される情報の統合です。
光学的検出で機能するカメラは、雨、濃霧、強い日差し、光のない状態といった状況においては問題を生じますが、路面標識など、色の認識においては高い信頼性を発揮します。
レーダは、たとえ低分解能であっても、距離の検知には有用で、環境条件に影響されることはありません。このようにセンサー同士の長所を補うことで、システムが周囲の状況をより精度高く把握することが可能となります。
6-1-1.ACC(Adaptive Cruise Control:アダプティブ・クルーズ・コントロール)
走行中の視界が良好で、前の車との車間が十分であれば、ACCは設定速度までスピードを上げます。同様に、前の車との距離が近づき過ぎると減速します。車両のクルーズ・コントロール・システムは、センサとカメラが周囲の状況を読み取り、適切な車速を維持します。
6-1-2. AEBS(Advanced Emergency Braking System:衝突被害軽減制動制御装置)
AEBSは自動車が障害物を検知して衝撃に備える機能の総称を意味しています。自動車に搭載したセンサとカメラを用いて前方車両との衝突を検知した瞬間にブレーキを制御するシステムです。
各社のADAS機能を評価した結果は、独立行政法人 自動車事故対策機構の予防安全性能アセスメントのページにて結果が掲載されております。