自動運転・ADASの開発には、ハードウェアから、センサー、ソフトウェアに至るまで、様々な技術が必要になります。その中でも、自動運転・ADASにおけるソフトウェア開発は競争が激しく、データ収集や性能評価において自社のみならず、外部のサービスもうまく活用することが、成功のカギとなります。
では、このデータ収集や性能評価をすべて自社で行うと、どのようなことが起きるのでしょうか。例えば、カメラから車間距離を測るシステムを開発する企業があったとします。開発したシステムが本当に正しい距離を計測できているのかを調べるには、リファレンスシステムとしてLiDARなどのレーザーセンサーを調達して、評価対象(この場合カメラ)と同期計測できるシステムを構築する必要があります。さらには、実際に走行した際のデータを計測するためにそれらのセンサーを設置した車両を用意し、ドライバーまでアサインする必要があります。
一口にデータセットと言っても、非常に多くの企業が提供しており、自社の開発に適したものを選択することは簡単ではありません。また、近年提供されている無料のデータセットは、情報量が少なく、なかなかうまく活用できないのが現状です。そこで、データセットを選ぶ上で大切になる観点を4つご紹介します。
日本国内と海外では道路環境が大きく異なります。一般的に提供されている走行データセットは海外のものが多く、そのまま使っても日本の走行環境に対してすぐに適応できるとは限りません。そのため、国内向けの自動運転・ADASにおけるソフトウェア開発をする場合、使用するデータセットが国内のものであることが重要になってきます。
自動運転やADASに使用するアルゴリズムなどのソフトウェアを開発する上で、参照するデータが多くあることが重要になります。始めから十分な走行時間と走行距離があるデータセットを選ぶことで、途中で手を止めることなく、一貫性をもって開発をすすめることができます。
データセットの中にどのようなデータが入っているかも非常に重要な観点になります。中には前方のカメラによる映像だけのデータセットから、側方カメラ、3D-LiDAR、IMU、さらには車両の操舵やブレーキなどのCANデータまで入ったデータセットもあります。
多くの場合、様々なセンサーからの情報を組み合わせたシステムを開発することになるため、なるべく多くの種類のデータを取得できるデータセットを選ぶと良いでしょう。
また、カメラの映像しか使わないように思える場合でも、後からこのデータも一緒に欲しかった等の要望を多々受けております。そのため費用にもよりますが、様々な種類のデータを取得しておくことは、決して損になりません。
自動運転・ADASに使われるカメラやセンサーの性能は日々向上しています。なるべく精度の高いセンサーからのデータをシステム開発に活用することによって、生み出すソフトウェアの幅も広がります。そのため、データセットを選ぶ際は、カメラやセンサーの性能が高いかどうか、という視点に着目することも大事な要素です。
自動運転・ADAS用データセットとして、明日から使える「走行データセット」をご紹介します。本データセットは、ZMPの走行データ取得ソリューションRoboTest®が提供してきた数々のサービスノウハウを詰め込み、首都高全線の高精度な走行データになります。
首都高速道路全線 (走行時間15時間以上、走行距離約300キロ)の走行データを取得したデータセットであり、日本での自動運転・ADAS開発に嬉しい国内のものとなります。
カメラ、LiDAR、GPS、IMU、社内温度、車両CANなど複数データを同期して取得したデータセットです。
一般的な32レイヤーのものより、約4倍解像度が高い128レイヤーの3D-LiDARである「RS-Ruby」を採用しています。
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