自動運転はレベルという概念で自動化の程度を分類しています。
分類方式は、2016年に米国運輸省NHTSAが発表したSAE(Society of Automotive Engineers)の定義に基づいています。
レベル0:運転自動化なし
全ての運転タスク (DDT: Dynamic Driving Task)は、運転者によって実施されています。
自動化要素を全く含んでいない、という概念です。(予防安全システムによって支援されている場合を含む)
レベル1:運転者支援
・運転自動化システムによる、持続的かつ運行設計領域(ODD:Operational Design Domain)の限定的な実施。
・運転化自動システムは、前後・左右方向のいずれかの車両制御に係る運転タスク(DDT)のサブタスクを実施。(両方ではない)
・運転者は、運転タスク(DDT)の残りの部分を実施することを期待。
レベル2:部分的運転自動化
・運転自動化システムによる、持続的かつ運行設計領域(ODD)限定的な実施。
・運転自動化システムは、前後・左右方向の両方の車両制御に係る運転タスク(DDT)のサブタスクを実施。
・運転者は、対象物・事象検知・反応(OEDR:Object and Event Detection and Response)のサブタスクを完成させ、
運転タスク(DDT)の残りの部分を監視することを期待。
レベル3:条件付運転自動化
・自動運転システム(ADS)による、全ての運転タスク(DDT)に係る持続的かつ運行設計領域(ODD)限定的な実施。
・予備対応時利用者(DDT fallback-ready user)は、自動運転システム(ADS)の発する介入要求や、
他の車両システムでの運転タスク(DDT)実施関連のシステム故障に対して適切に応答することを期待。
レベル4:高度運転自動化
・自動運転システム(ADS)による、全ての運転タスク(DDT)に係る持続的かつ運行設計領域(ODD)限定的な実施。
・フォールバック(DDT fallback)において、利用者が介入すべく応答することは期待されない。
レベル5:完全運転自動化
・自動運転システム(ADS)による、全ての運転タスク(DDT)に係る持続的かつ無条件
(すなわち運行設計領域(ODD)限定的でない)の実施。
・フォールバック(DDT fallback)において、利用者が介入すべく応答することは期待されない。
(出典:国土交通省 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/detakatsuyokiban/dorokotsu_dai1/siryou3.pdf)
ADASは一般的に自動運転のレベル2に位置付けられます。これは意思決定の主体が運転者にあることを意味しています。 すなわち事故が発生した時の責任の所在がドライバー、つまりヒトにあるということです。
最近では、レベル3実現に向けた車両の販売も開始されており、ホンダでは、レジェンドに高速道路での自動運転機能を搭載したモデルを搭載して販売を行う予定もあります。
レベル3の自動運転においては、自動運転走行中については自動車が事故の責任を負い、走行中はドライバーの運転操作から解放されます。レベル3では、車両が自動運転走行の継続が不可能な際には、速やかにドライバーが運転を引き継がなければなりませんが、高速道路の渋滞中の追従走行など様々なところで活躍が見込まれると感じています。
(参照:時事ドットコムニュース
ホンダ、日本初「レベル3」 来夏、高速渋滞時に自動化 https://www.jiji.com/jc/article?k=2019121600906&g=eco)
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