物流・ロジスティクスを知る

物流・ロジスティクスの基本情報

物流・ロジスティクスに関する基本的な情報として、各種概念や物流業界の現状や課題また課題に対する取り組みについて説明します。

流通とは?

ここでなぜ流通という言葉が登場するかというと、一度、流通・物流・商流について整理したいと思い流通について言及しています。

それぞれがどのような位置づけになるか説明すると、

流通は、「生産した物やあるサービスをメーカーから消費者へ渡すこと」を指し、それに伴う輸送・保管・取引などの一連の活動を流通と呼びます。

そして、流通とは物流と商流を包含する単語になります。

物流という単語は、「物的流通」の略称で、物の実態を伴った物流れを意味しています。

商流という単語は、「商的流通」の略称で、商的流通とは、商流とも呼ばれ、生産から販売・消費までにいたる過程において、商品の所有権を移転させるために行われる売買取引の流れのことを指しています。

流通・物流・商流については上記のような違いがあります。

物流とは?

その次に物流について説明すると、上記で説明したように「物流」という単語は「物的流通」の略で、商流とともに流通を構成し、生産者と使用者間の「距離の隔たり」と「時間の隔たり」を埋め、かつ「使える状態にする」という価値を作り出すことを指します。この概念は、流通を構成する商的流通(商流)と物的流通(物流)から発生しています。

また、物流という単語は、「物的流通(Physical Distribution) 」という単語に由来するもので、単語自体が誕生して約60年ぐらいと比較的新しい単語だったりします。

商流とは?

「商流」という単語は「商的流通」の略で、生産から消費までの取引を、所有権の移転を中心に見たものが商流といわれています。所有権の移転だけを伴う取引の場合、物流は発生せず、商流だけ発生するというケースがあります。

1.物流を伴う一般的な取引
物流 生産者→卸売業
商流 生産者→卸売業

2.所有権の移転だけの場合(例えば、共通の倉庫内に保管した製品の取引など)
物流 (発生せず)
商流 生産者→卸売業

このように、物流と商流が分離することもあります。

金流とは?

少し物流とは離れてしまいますが、金流は、商流や物流と共に、経済活動におけるネットワークの一つで、お金の流れのことをいいます。これは、商取引において、商品の決済のためのお金(貨幣)の流れであり、商流の一部とされることもあるようです。

このような貨幣の流れを組み込む場合、物流システムよりも広いERPなどのシステムも含めて改善活動に取り組む必要があるかと思います。

ロジスティクスとは?

さて、次にロジスティクスという言葉について触れていきたいと思います。

ロジスティックスというのも物流と同じように取り扱われる単語ですが、ロジスティクスについて概念を説明します。

「ロジスティクス」=「物流」と同義に扱われがちですが、「ロジスティクス」とは本来「物流を戦略的にとらえたもの」を意味しています。

物流は
 ①メーカーが原材料を調達する『調達物流』
 ②メーカーでの生産過程を指す『生産物流』
 ③メーカーから小売店まで販売のために輸送する『販売物流』
の3つに分けられます。

これまで、この3つの物流は相互の関連性をあまり考慮せず、それぞれが最適な状態になるよう設計・運用されてきました。しかし、それぞれが最適化されていても「全体が最も効率的な状態」を実現されているとは言えませんでした。

そこで、物流全体の最適化を図るために誕生した概念が「ロジスティクス」なのです。

ロジスティクスとは、物流を戦略的に捉え、3つの物流で発生している不自由を調整し、全体を効率的・効果的な物流を計画・実施・管理することを指すのです。

よって、「ロジスティクス」は「物流」に対して、より上位な概念と言えます。

より効率的なロジスティクスを実現する為には、調達・製造・販売に関する情報を把握し、共有することが重要になります。

最近ではインターネットやIoTの技術が進み、あらゆる情報同士が繋がったことで、ロジスティクスの重要性は日々増えています。

このロジスティクスという技術によって、①品切れをなくす ②物流の効率化 ③在庫削減 といった効果が期待されています。

これにより、売上を増加させつつ、コストを削減させることが可能になるのではないかと考えられています。


物流を構成する6つの基本活動

ここでは話を一度物流の観点に戻して説明を進めていきます。

物流には物流を構成する六つの連携活動があります。

その6つとは輸送・保管・荷役・包装・流通加工・情報の6つの連携活動で構成されています。

これらを連携させて、使える状態を作り出すことで物流が成立しています。

実際に、物流は私たちの生活に非常に密接な関係です。私たちが店舗で何かを購入した時、それは「すぐ使える形」で販売されています。

しかし、この状態に至るまでを遡るとそこにはスーパー等の小売店があり、その前には問屋や市場で取引が行われており、その前には製造メーカーが物の加工などを行い、その上流には原材料メーカーや生産者が存在しています。

このそれぞれのやりとりの間にはいくつもの「物流活動」が存在し、物流が「生産」と「消費」の隔たりを埋める働きをしているのです。

各活動をより効率的に行うため様々な物流システムが開発されており、その一例を下記にて紹介していますので合わせてご覧いただければと思います。
物流課題を解決する物流システム

調達物流、生産物流、販売物流

商品が供給されるためには少なからず、物の流れや滞留があり、そこには「調達物流」、「生産物流」、「販売物流」と呼ばれる3つの物流活動が存在しています。

調達物流・・・ 生産を行う工場などの現場に、生産に必要な原材料や部品などを仕入先から運び込むための物流活動

生産物流
・・・ 自社工場内で生産した物を、自社倉庫に移動する流れ。自社内で行われる物流の事で、「社内物流」とも呼ばれる。

販売物流
・・・ メーカーから卸や小売に対し「物の流れが発生する行為」を指します。


物流における課題について

下記では、物流における課題について紹介します。

1.物流サービスと物流コストの関係

「物流」は輸送・保管・荷役などの諸活動が”距離の隔たり”や”時間の隔たり”を埋めて、物が使える状態にし、価値を作り出すことを指します。この、「使える状態の上手な作り方」が物流の最大の課題になっています。

「使える状態」を言い換えると、「お客様が求めているサービス要件をできるだけ満たすと同時に、できるだけ安い費用でこれを実現させる」ということです。
この場合、前者が”物流サービス”の問題、後者は”物流コスト”の問題に当たります。

物流サービスと物流コストのバランスはトレードオフの関係にあり、一般的には”物流サービス”を良くしようとすると、それに伴って”物流コスト”が上がり、逆に”物流コスト”を下げようとすると”物流サービス”の質が落ちてしまという、非常に厄介な問題が起きてしまうのです。


2.時期変動による物流量の変化

物流業界においては、クリスマスやお中元など季節柄、突発的に物量が増える時期があります。しかし、それに対応しようと設備を拡大すると、時期が過ぎれば設備の稼働率は落ちてしまうという問題に直面します。

3.日本の労働人口減少による人手不足

日本の人口推移は2014年を境に減少傾向にあります。それ伴い、近年、物流分野における労働力不足が顕在化しています。現場での労働力不足(特にトラックドライバーの不足)を感じている企業の割合が近年増加しています。

現在の物流業界においては上記のような課題が懸念されており、
詳しい説明については物流業界の現状について参照いただければと思います。
物流・ロジスティクス業界の現状

ZMPの物流ロボット

ZMPでは、物流現場の作業効率の向上や物の移動を便利にするため、物の移動はCarriRoとし、物流を支援するロボットを開発販売しております。

その一つに物流支援ロボットCarriRo(キャリロ)という製品があります。

この物流支援ロボットCarriRo(キャリロ)は、 電動台車型のロボットでジョイスティックによる操作ができるドライブモード、ビーコンを自動追従するカルガモモード、また自律移動機能を有した自動走行が可能な製品です。

2016年の販売開始から累計300 ユーザー以上の導入実績があり、「自律移動」という新たな付加価値により、物流拠点や工場、ホテルを始めとしたサービス業界など様々な業界での導入が広がっています。

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